最低賃金

2012年4月4日 掲載

 使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません(最低賃金法4条1項)。
 最低賃金を下回る賃金を定める労働契約は無効となり、賃金について最低賃金と同様の定めをしたものとみなされるため、使用者に対して最低賃金との差額を請求することができます(同法4条2項)。また、使用者が最低賃金を支払っていない場合、50万円以下の罰金に処せられます(同法40条)。

 最低賃金には、(1)都道府県ごとに定められた地域別最低賃金と、(2)特定地域内の特定の産業について、地域別最低賃金より高い最低賃金を設定する特定(産業別)最低賃金があります。両者が競合する場合には、より高いほうの最低賃金が適用されます(同法4条1項)。派遣労働者の場合は、派遣先の事業所を基準として、適用される最低賃金が決まります(同法13条、18条)。

 最低賃金は、時間によって定められるため(3条)、時間給以外の給与形態の場合は、時間給に直す必要があります。月給の場合「月給÷1箇月平均所定労働時間」、日給の場合は「日給÷1日の所定労働時間」を最低賃金額と比較します。ここにいう、「月給」や「日給」は、毎月支払われる基本的な賃金のことをいい、以下のものを含みません。

  1. 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
  2. 1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  3. 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
  4. 所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
  5. 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
  6. 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

 例えば、ある月に基本給11万円、職務手当2万円、通勤手当1万円、時間外手当3万円の合計17万円を支給されたAさんは、1日の所定労働時間が8時間、年間労働日数250日で働いています。この場合、通勤手当と時間外手当は除外されるため

  • 対象となる基本的な賃金=17万円-(1万円+3万円)=13万円
  • 時間額に換算=(13万円×12か月)÷(250日×8時間)=780円(小数点以下切捨て)

となり、これを最低賃金額と比較することになります。

 最低賃金に満たない給与しか受け取っていなかった場合、最低賃金との差額については、2年間請求することができます(労働基準法115条)。


上記内容は掲載日時点の法律に拠っています。最新の情報ではない可能性がありますのでご注意ください。