景品に関する規制

2012年9月14日 掲載

 企業が販売促進のために、来店者にプレゼントを配布したり、抽選会をしたりすることはよくあることです。また、商品に「おまけ」をつけたり、商品の購入者だけが応募できる懸賞を行ったりすることもあります。
 このような顧客を集めるために、企業が提供する物品、金銭、サービス等のことを「景品」といい、「不当景品類及び不当表示防止法」(いわゆる「景表法」)で規制されています。以下では、その類型ごとに、どのような規制がなされているかを説明します。

来店者に景品を提供する場合

 商品の購入を条件とせずに、店舗への入店者を対象に景品を配布する場合、景品の価額の上限は200円とされています。ただし、当該店舗において通常行われる取引の価額のうち最低のものが100円を超えると認められるときは、当該最低のものを「取引の価額」とすることができ、その価額の20%に相当する金額が上限となります。
 なお、景品の価額は、その景品を通常購入するときの価格とされています。

抽選会をして景品を提供する場合

 くじのように偶然性に基づいて景品を提供するかどうかや、景品の価額が変わるような景品の提供方法のことを「懸賞」といい、景品の価額等に制限が設けられています。
 まず、景品の価額については、懸賞による取引価額の20倍または10万円のいずれか低い金額が上限とされています。また、景品の総額については、懸賞に係る売上予定総額の2%が上限とされています。
 例えば、「500円お買い上げごとに1回抽選」という場合、1等の景品については、1万円が上限となります。
 抽選会のほか、パズルやクイズの正解者、コンテストの優勝者に景品を提供する場合にも、上記と同様の規制がかかります。

 なお、商店街の福引のように、一定の地域の小売業者またはサービス業者の相当多数が共同して行う場合(共同懸賞)は、取引価額にかかわらず、景品の上限が30万円に、また景品の総額については、懸賞に係る売上予定総額の3%が上限となります。

商品に「おまけ」をつける場合

 商品に「おまけ」をつける場合、(1)すべての商品に同程度の価額の景品を付ける場合(総付景品・ベタ付け景品)、(2)すべての商品に景品は付くが、その価額に差があり、購入者にはわからない場合、(3)一部の商品にのみ景品が付き、購入者にはどれに景品が付いているかわからない場合、が考えられます。
 このうち、(2)と(3)については、懸賞と同じ扱いとなりますので、例えば、120円の缶コーヒーの一部に景品を付ける場合であれば、景品の上限は2400円、総額は売上予定総額の2%が上限となります。
 これに対し、(1)の場合は、取引価額の20%が上限となります(当該金額が200円未満の場合は200円)。したがって、150円のキャンデーのすべてに景品を付ける場合であれば、その上限は200円、10万円のパソコンに景品を付ける場合であれば、上限は2万円ということになります。


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