就業規則

2011年12月27日 掲載

 就業規則とは、使用者が事業上における労働条件の具体的細目や就業上遵守すべき規律を定めた規則類のことです。「就業規則」というタイトルの文書だけでなく、法が規定する事項について記載されている文書であれば、法律上の就業規則の一部となります(「賃金規程」「退職金規程」など)。

 使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、個別の労働契約で就業規則と異なる労働条件について合意している場合を除き、就業規則の内容が労働契約の内容となります(労働契約法7条)。
 ただし、就業規則で定める基準に達しない労働条件を定めた労働契約は、その部分については無効となり、その無効部分は就業規則で定める基準に変更されます(労働基準法93条、労働契約法12条)。

○就業規則の内容

 労働基準法89条は、以下の内容について就業規則に記載しなければならないとしています。

必ず記載しなければならない事項(絶対的記載事項)

  1. 始業および終業の時刻、休憩時間、休日、休暇ならびに交代制に関する事項
  2. 賃金(臨時の賃金等を除く)の決定、計算および支払の方法、賃金の締切りおよび支払の時期ならびに昇給に関する事項
  3. 退職に関する事項

その制度を設ける場合には、就業規則に記載しなければならない事項(相対的記載事項)

  1. 退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算および支払いの方法ならびに退職手当の支払いの時期に関する事項
  2. 臨時の賃金等(退職手当を除く)および最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項
  3. 労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項
  4. 安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項
  5. 職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項
  6. 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項
  7. 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項

以上のほかに、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項を定めることができます。ただし、いかなる項目についても、法令または労働協約に反するような内容の規則を定めることはできず、仮に定めたとしても労働者との間の労働契約には適用されません(労働基準法92条1項、労働契約法13条)。


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