給与支払日の変更

2011年12月27日 掲載

 給与支払日は、就業規則の記載事項とされていますので(労働基準法89条2号)、これを変更するには、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聞いた上で、その意見書を添付して変更届を所轄の労働基準監督署に届け出ることにより行わなければなりません(同法90条1項)。

 手続上は、上記で問題ないのですが、例えば、「20日締めの末日支給」を「20日締めの翌月10日支給」に変更した場合、変更したその月に給与が支払われないという問題があります。この場合、「賃金毎月払いの原則」(同法24条2項)に抵触することになります。また、労働者にとっても、給与支払日にあわせてローンの支払日などを決めている場合があり、そういった不都合にも対応が必要です。
 ひとつの方法としては、変更月については、21日~10日の分を月末に支給し、11日~20日の分を翌月10日に支給するといったように、2回に分けることが考えられます。加えて、希望者には無利子で不足分を貸与し、後日分割で返済してもらうとか、変更月には不足分も含めて支給し、ボーナスで清算するといった対応も検討すべきでしょう。事務処理の手間が増えますが、労働者の負担を減らすことで、就業規則の変更に対する合意も得られやすくなるでしょう。


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