株主総会

2011年12月27日 掲載

 株主総会とは、株主全員で株式会社の意思・方針を決定していく場です。
 株式会社の資本は株主の出資がもとになっているので、株主は会社の実質的な所有者です。
 その所有者が集まるのですから、株主総会では会社に関する事項の一切を決定することができます(会社法295条1項)。
 例外として、取締役会が置かれている会社では、取締役会が会社の業務を執行するほうが迅速・適切な運営ができると考えられているため、業務事項の大半は取締役会に委ねられ、株主総会で扱うのも会社法や定款に定められた事項のみになります(同条2項)。
 それでも定款変更や組織再編など会社の基本的事項は審議しますし、余剰金分配、取締役等の選任・解任・報酬といった事項も決定できます。
  このほか、動議の採否、議長の不信任など議事の運営に関する事項は、定款に定めがなくても当然に決議できるとされています。
 以上のように、株主総会にはとても強い決定権限があるのです。

 では、どのような方法で意思を決定するかというと、多数決の決議で行われます(会社法309条)。
 多数決にあたっては、基本的には「1株1議決権」の原則に従い、多額の出資をして多くの株式を持つ者に、より強い発言権(議決権)が与えられています(非公開会社では、定款による例外あり。同109条2項)。

 実務上問題となるのは、動議への対応です。
 書面による議決権の行使を認めている会社(会社法298条、311条)では、株主総会当日に会場に出席している株主が少数であることも少なくありません。その場合に、出席している株主から動議が出たときのことを考えます。
 この場合、動議が会社提案議案に対する修正動議であれば、会社提案議案の全てに対して賛成の書面投票用紙をもらっていれば、反対票として扱うことができます。しかし、議長不信任動議とかの手続的動議については反対票として扱うことはできません。そうなると、出席株主の議決権の過半数で可決されることになります。これを防ぐためには、過半数の議決権に達するまで委任状を獲得しておく必要があります。


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