企業合併

2011年12月27日 掲載

 企業合併は、経営規模拡大や合理化、業績不振会社の救済などを目指して、複数の会社が契約により1つの会社に合体することをいいます。
 企業合併には「吸収合併」と「新設合併」があります。

 吸収合併とは、会社が他の会社とする合併で、合併で消滅する会社の権利義務の全てを、合併後も存続する会社が承継するものです(会社法2条27号)。

 一方、新設合併とは、複数の会社がする合併であって、消滅する会社の権利義務を全て新しく設立する会社が引き受けます(同条28号)。

 どちらも、合併によって会社の一部または全部が解散・消滅し、それらの財産や債務を合併後の会社に清算手続きなしでまるごと移すというものです。

 また、合併にあたっては、当事会社の形態や大小関係は問題にされていません。
 株式会社に限らず、合名会社・合資会社など、すべての種類の会社間で合併が可能であり(同748条)、吸収合併時にはそのどれもが存続会社となることができます(同751条1項、755条1項)。

 ちなみに、新設合併の目立った例は、2003年の三越とその子会社(名古屋三越など)の合併程度で、これまで多く用いられてきたのは吸収合併です。
 なぜなら、新設合併の場合、営業に主務官庁の免許が要る業種では、新設会社は、解散会社の権利義務は承継できても、営業免許までは承継できないため、改めて免許を取らねばならないという面倒な事情があるからです。
 また、新設会社では証券市場に上場する手続も必要になります。
 銀行が名前をつらつらと重ねて吸収合併しているのも、こうしたことが原因ではないでしょうか。


上記内容は掲載日時点の法律に拠っています。最新の情報ではない可能性がありますのでご注意ください。