金庫株

2011年12月27日 掲載

 金庫株とは、株式会社が保有している自己の株式(自己株式)のうち、取得目的が特定されておらず、保有期間制限もない株式のことをいいます。会社が自己の株式を期間制限なくその金庫に入れておけるということで、「金庫株」という名前が付けられています。

 従来、自己株式の取得は、出資の払戻しとなることや、自己株式の買い付けに伴う相場操縦・インサイダー取引などの危険があることから、原則として禁止されていました。しかし、バブル期に増資によって過剰に資金を集めたものの、その後の不景気による資金需要の低迷で、資金がだぶつき気味であったことや、株式持合いの解消の受け皿としての役割が期待され、平成13年(2001年)の商法改正で解禁されるに至りました。その後、会社法にも受け継がれ、現在に至っています。

 自己株式を取得するには、不正を防止するため、財源規制(配当可能利益内で行うこと)のほか、手続規制(株主総会または取締役会の決議が必要)、開示規制(上場会社の場合には、取得に関する決議後、直ちに適時開示が必要)などの規制をクリアする必要があります。

 取得した自己株式は、特に期間の制限なく保有できますが、議決権はありません。また、自己株式を処分する場合には、新株発行手続に準じて行われます。


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