定款
2011年12月27日 掲載
定款とは、会社の組織や活動を定める根本規則、もしくはその根本規則を記載(記録)した書面(電磁的記録)を指します。
株式会社を設立するには、発起人が定款の内容を作成して、その全員がこれに署名または記名押印(電磁的記録ならば電子署名)する必要があります(会社法26条、会社法施行規則225条)。
定款の内容には、
- 定款に記載しなければ、定款全体が無効となる事項(絶対的記載事項、会社法27条)
- 記載しなくとも定款全体の効力に影響はないが、効力を持たせたければ定款への記載が求められる事項(相対的記載事項)
- 記載しなくとも定款全体の効力に影響がなく、定款以外でも記載してあれば効力を持つ事項(任意的記載事項)
の3種類があります。定款に(2)、(3)の記載が許されるのは、会社法29条が根拠です。
(1)は、会社の目的や商号、本店の所在地、設立時に出資される財産の価額またはその最低額(なんと1円でも認められます)、発起人の氏名または名称及び住所です。
定款に記載された「会社の目的」は、実際に行われているものでなくとも構いません。
ただ、事業を行うにあたっては、それが定款上の目的に含まれていないと認可が下りない仕組みになっています。ですから、ある程度大規模な会社になると、事業を拡大する際、定款変更に手間取らず、すぐ始められるように、あらかじめ色々な目的を記載しておくのです。
(2)の具体例としては、現物出資(原則金銭で行うべき株式会社の出資を、発起人に限り金銭以外の現物で出資できるというもの)、財産引受け(会社の設立を条件に、一定の人物から財産を譲り受ける契約を結ぶこと)、発起人の特別利益(会社設立に貢献した発起人への報酬等)、設立費用(同28条)などがあります。
他にもさまざまなものが考えられますが、上記の4つは特に発起人等の権利濫用が懸念される事項で、定款への記載に加えて、裁判所からの検査役の調査が必要とされています。
(3)で実際に記載することが多いのは、定時株主総会の招集時期、株主総会の議長、事業年度などです。
こうして設立時に作られた定款は、公証人によって認証され、はじめてその効力を生じます(同30条1項)。なお、認証が必要なのは最初のみで、後の定款内容変更については認証不要です。
効力の対象は、発起人はもちろん、株主や役員といった会社内部の者です。会社外部の者(会社と取引関係にある債権者等)には、直接の効力はありません。
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