公正証書

2011年12月27日 掲載

○公正証書とは

 公正証書とは、法律の専門家である公証人が、法律に従って、権利義務に関する事実を証明するために作成した文書です。公文書なので私文書に比べて信用性があり、証拠の価値が高いという特徴があります。

 公正証書にすることのメリットとして、第一に、公証人という国家公務員が介在して文書が作成されるので、私人の間で作成される文書に比べて、裁判になったような場合に証拠としての価値が高いということです。

 第二に、公正証書に、債務不履行の場合に強制執行を受けても文句はいわないという執行受諾文言を入れておけば、契約内容が履行されない場合に、直ちに強制執行することができるという点です。
 単なる私人の間で作成された契約書の場合には、裁判を行い、判決を得ないと、強制執行できないので、債務不履行の場合に、債権者が時間やお金を節約できるという意味で、これは大変なメリットといえます。

 こうした強力な効果があるため、公正証書を作成することによって、債務者に強い心理的圧力をかけることができます。それによって、強制執行や裁判に至ることなく、任意に支払ってもらえる可能性が高いといえます。これが第三のメリットです。


○公正証書の作成方法

 公正証書は全国の公証人役場で作成してもらえます。日本公証人連合会のホームページに所在地一覧があります。

 公証人は、公正証書の内容について一から作成してくれるわけではありませんので、あらかじめ公正証書にする中身を契約書または契約書草案の形でまとめておきます。公証人は取決めの内容が法律に違反しないかについて確認し、公正証書にしてくれます。

 初回の訪問時は、公正証書にしたい内容について説明をします。通常は、その場で公正証書ができることはありませんので、次回の予約をして帰ることになります。

 2回目の訪問時に、公証人が作成した公正証書の内容を確認し、内容に間違いがなければ、両当事者が署名捺印します。公正証書の原本への署名捺印が終わると、公証人は公正証書の正本と謄本を交付してくれます。
 公正証書に基づいて強制執行をするには、正本が必要ですので、債権者側が正本を受け取ります。また、債務者に公正証書が送達されていないと強制執行することができないので、謄本を債務者側に送達してもらう必要があります。

 公証役場には、両当事者(法人であれば代表取締役)またはその代理人が揃って行く必要があります。本人確認できる書類(個人の場合は運転免許証やパスポート等。法人の場合は代表者の資格証明書または登記簿謄本)や実印(代表者印)、印鑑証明書等も必要となりますので、忘れずに持っていくようにします。


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