内容証明郵便

2011年12月27日 掲載

 内容証明郵便とは郵便物の差出日付、差出人、宛先、文書の内容を郵便事業株式会社が謄本により証明する郵便のことです。内容証明郵便によって証明されるのは、内容文書の存在であり、文書の内容が真実であるかどうかを証明するものではありません。また、内容証明郵便だけでは、宛先に配達されたことを証明できないため、通常は配達証明をあわせて付けます。
 相手方に心理的な圧力をかけることができるほか、法律上は、時効の中断のための催告(民法153条1項)や債権譲渡の通知(民法467条2項)に用いられます。


○内容証明郵便の書き方

 内容証明郵便の書き方は内国郵便約款に定められています。

  1. 用紙
    用紙は、内容証明専用用紙が市販されていますが、必ずしもこれを使う必要はありません。大きさも自由です。ただし、5年間保存されるため、保存に耐えない用紙(感熱紙など)は使用できません。
  2. 書き方
    手書きでもパソコンでも構いませんが、手書きの場合には退色しないペンまたはボールペン、パソコンの場合には普通紙を使用したほうがよいでしょう。
    訂正する場合は、通常、該当文字に二重線を引き、正しい文字を横に書き加え、該当個所の上部欄外(または末尾余白)に「2字訂正」「3字加入」などと書いて、そこに差出人のところで捺印した印鑑と同じもので捺印します。削除のみ・加入のみであっても要領は同じです。ただ、新しく作成し直したほうが無難でしょう。
  3. 行数・字数の制限
    縦書きの場合、1行20字以内、1枚26行以内
    横書きの場合、1行13字以内、1枚40行以内または1行26字以内、1枚20行以内
    ※2枚以上にわたるときは、そのつづり目に契印をします。
  4. 使える文字
    使用できるのは、仮名、漢字及び数字、英字(固有名詞に限ります)及び括弧、句点その他一般に記号として使用されるもののみです
  5. 句読点や括弧の扱い
    • 記号は1個1字とします。ただし、括弧は上下(横書きの場合は左右)を全体として1字とし、上(横書きの場合は左)の括弧の属する行の字数に算入します。
    • 文字や数字を円、三角形、四角形等の簡単な枠で囲んだものは、各文字および枠(1字)の合計で計算します。ただし、文中の序列を示す記号として使用されているものについては、全体として1字と計算します。
    • 文字や記号に傍点や下線等を施したものは、傍点や下線等を含めた全体を1字として計算します。
    • 禁則処理(行頭や行末に記号が来ないように文字を詰めたりすること)はせず、句読点や閉じ括弧でも行頭に書きます
  6. 年月日・住所・氏名・捺印
     文書の中に、必ず書かなければなりません。縦書きの場合は、最後に、年月日・差出人の住所・氏名・受取人の住所・氏名を、この順番で書きます。横書きの場合は、最初に、年月日・受取人の住所・氏名・差出人の住所・氏名の順番になります。
     法律上、印鑑を押すことは要求されていませんが、差出人の氏名の下(縦書き)または右(横書き)に捺印します。
  7. 作成する通数
     内容証明郵便は、同じ文書を、自分用(差出人の手元に残る分)・郵便局に保管する分・相手に送る分の計3通用意しなければなりません。これによって、郵便局による内容・出した日の証明が可能になるからです。3通の作成方法は、コピーでもかまいませんが、印鑑は3通ともに押す必要があります。

○電子内容証明郵便

 電子内容証明郵便とは現行の内容証明郵便を電子化し、インターネットを通じて24時間受付けを行うサービスです。
 ワープロソフトで作成したデータを送信すると、システムが電子内容証明の証明文、日付印を文書内に挿入し、差出人宛て謄本、受取人宛て原本を自動印刷します。その後、自動封入封かんを行い郵便物として発送します。
 紙で作成する内容証明郵便に比べ、レイアウトの自由度が高く、紙で作成する内容証明郵便3枚分を1枚に収めることができます。金額も低く抑えることができますが、事前にソフトのインストールや利用者登録が必要となります。


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