特定商取引に関する法律
2011年12月27日 掲載
特定商取引に関する法律(特定商取引法)は、平成13年6月に施行された法律で、従来の「訪問販売等に関する法律(訪問販売法)」の内容を拡充したものです。
同法で規制されているのは、以下の6類型の商取引です。
- 訪問販売
- 通信販売
- 電話勧誘販売
- 連鎖販売取引(いわゆる「マルチ商法」、「ネットワークビジネス」)
- 特定継続的役務提供(語学教室やエステティックサロンなど)
- 業務提供誘引販売取引(いわゆる「内職商法」など)
従来は、対象となる商品・役務について、予め法令で指定された商品・役務に限定されていましたが、現在では、原則としてすべての商品・役務が対象とされています。そのうえで、一部の商品・サービスについては、クーリングオフ制度の対象外とするなどの対応がなされています。
たとえば、キャッチセールスによって飲食店に誘われ、飲食した場合の外食については、訪問販売にあたりますが、書面交付義務やクーリングオフ制度の適用が除外されています。
特定商取引法による消費者保護の制度としては、クーリングオフ制度(一定期間内の無条件解約)が有名ですが、このほか、
- 契約を締結しない旨の意思を表示した消費者に対する契約勧誘の禁止
- 正当な理由がないのに過剰な商品を契約購入した場合に契約後1年間は契約を解除できる
- 通信販売で返品の可否・条件・送料の負担を広告に表示していない場合は、8日間、送料を消費者負担で返品(契約の解除)することができる
- 消費者があらかじめ承諾・請求していない電子メール広告の送信を原則禁止
などが規定されています。
インターネット上での通信販売で、「特定商取引法に基づく表示」というページを目にしますが、これは、11条に規定された広告表示規制に基づいたものです。
具体的には
- 販売価格(役務の対価)(送料についても表示が必要)
- 代金(対価)の支払い時期、方法
- 商品の引渡時期(権利の移転時期、役務の提供時期)
- 商品(指定権利)の売買契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(返品の特約がある場合はその旨含む。)
- 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
- 事業者が法人であって、電子情報処理組織を利用する方法により広告をする場合には、当該販売業者等代表者または通信販売に関する業務の責任者の氏名
- 申し込みの有効期限があるときには、その期限
- 販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容およびその額
- 商品に隠れた瑕疵がある場合に、販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
- いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
- 商品の販売数量の制限等、特別な販売条件(役務提供条件)があるときには、その内容
- 請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額。
- 電子メールによる商業広告を送る場合には、事業者の電子メールアドレス
の13項目について表示しなければならないことになっています。ただし、一定の条件(消費者からの求めに応じて遅滞なく上記の項目について提供できる場合など)を満たす場合には、一部の項目について省略することが認められています。
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