起訴休職

2012年9月6日 掲載

 起訴休職とは、労働者が刑事事件で起訴されたことを理由に行われる休職のことです。公務員については国家公務員法79条2号、地方公務員法28条2項2号に起訴休職に関する規定がありますが、労働基準法上、休職について具体的な定めは設けられておらず、休職の要件・効果は就業規則等で自由に定めることができます。

 起訴休職が認められる根拠としては、(1)労働者が起訴されたことにより、身柄が拘束され、労務の提供に支障をきたすという点と、(2)労働者が刑事事件の被告人となったことで企業の対外的信用に傷が付き、あるいは職場秩序の維持という観点から悪影響を及ぼすという点が挙げられ、過去の裁判例では、この両者を総合的に判断して、有効・無効を判断しています。

 過去の事案では、身柄拘束されていない労働者で、公判に出頭するために就労できないとしても、それは極めてわずかであり、労務の提供に支障をきたすとはいえないとして、起訴休職が無効とされた事案や、末端職員が職務と関係なく起こした事件について、職務規律・秩序への影響が小さいとして、起訴休職が無効とされた事案があります。


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