備置き 2 ~データによる総会議事録の備置き~

2013年11月12日 掲載

 現在の実務では、総会議事録の作成から備置き・閲覧謄写まで、すべて書面で行う企業が圧倒的に多いですが、オフィスの省スペース化の要請や管理の簡便性から、これらをデータ化する方法も注目されています。
  データ化された総会議事録を備置きする場合、どうすればよいのでしょうか。

○データ化された総会議事録を備置きするには

 電磁的記録となった総会議事録は、ハードディスクやフロッピーディスクに備え置くのが基本です。
 ただ、支店に関しては、総会議事録のデータがサーバー等に記録され、インターネットなどの電気通信回線を通じて支店のパソコンで記録・閲覧できる場合には、支店で特に備置きを検討する必要はありません(会社法318条3項会社法施行規則227条)。

 また、書面で作成した議事録をスキャナ等の画像読み取り装置により読み取った電磁的記録を保存することで、書面の備置きに代えることもできます(会社法施行規則232条7号・8号233条)。
※ 書面総会での同意書面、取締役会議事録、監査役会議事録および委員会設置会社の委員会議事録についても同様です(同232条9号・10号・13号・14号)。

 ただし、この場合に使用されるスキャナは、明瞭かつ整然と表示するために十分な解像度等を有するものでなければいけません(同233条2項)。

○議事録の保存期間

 備置き期間を経過した後の総会議事録をいつまで保存すべきかにつき、法律上の定めはありません。
 しかし、安全面を考えれば、総会議事録の原本を永久保存文書として保管し、さらにマイクロフィルムに撮り、原本と別の場所に保存しておくことが当然望ましいと言えるでしょう。

○違反時の罰則

 最後になりましたが、帳簿や書類・電磁的記録を備え置かなかったときは、代表取締役に100万円の過料が命じられます(会社法976条8号)。
無駄な出費を防ぐためにも、必要な場所への備置きはくれぐれもお忘れなく。


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