決議事項 ~代表取締役の選定と業務執行取締役の選定~

2014年10月29日 掲載

 前回は、代表取締役の選定についての説明をしました。今回は、代表取締役の選定の際に使われる用語の説明と業務執行取締役の選定についての説明をしたいと思います。

○「選定」「承諾」という言葉について

1.代表取締役の選定について
 議長から、代表取締役 A が取締役の任期満了により代表取締役の資格を喪失し退任することになるので、 A 取締役を再び代表取締役に選定したい旨提案があり、これを議場に諮ったところ全員異議なくこれを決議し、被選定者は就任を承諾した。

 上記の記載例では、「代表取締役の選定」という記載がされています。一方、株主総会で取締役が選ばれる際は「選任の決議」という記載がなされます。これは、契約の性質によるものです。株主総会で取締役に選ばれ、就任の承諾をした場合には、株主と取締役との間の契約は委任契約(民法643条)とよばれるものなので「選任」と呼びます。一方、取締役会で代表取締役を選ぶ場合には「選定」といいます。これは取締役会と代表取締役の関係は委任契約という性質のものではないからです。
 また、会社法上でも監査役を選ぶ際に「監査役の中から常勤の監査役を選定」(会社法390条3項)と規定されていますので、代表取締役を選ぶ際にも「選定」という言葉を使うべきです。
 次に、「承諾」という用語については、法令上の用語として「受諾」(旧商法260条3項2号)と「承諾」(商業登記法54条1項)とは区別して使っているので、「承諾」という言葉を使います。

○業務執行取締役の選定

 取締役設置会社において、業務を執行するのは代表取締役と業務執行取締役とされています(会社法363条1項1号、2号)。そして、代表取締役及び業務執行取締役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならないとされています(会社法363条2項)。
 したがって、業務執行取締役についても取締役会において選定することで、一定の業務執行権限(例:法務・総務担当等)を特定の取締役に与える必要があります。そして、決議によって業務執行取締役を選定した場合には取締役会議事録に記載しなければなりません。


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